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ミステリの祭典

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おかしな死体(ホトケ)ども
吉田警部補苦虫捕物帳

作家 海渡英祐
出版日不明
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点
(2021/02/25 20:10登録)
「礼儀作法の点では、彼は警視庁内で最低クラス」という吉田茂警部補のユーモア・ミステリ短編集シリーズ第1弾で、どれも「~死体」というタイトルの8編を収録しています。吉田警部補は自分のところにはひねくれた事件ばかりが回ってくると、やはり歴代総理大臣をもじった名前の部下たちに当たり散らしながらも、明快な推理で事件を解決していきます。『浮気する死体』はさすがにちょっと無理じゃないのという気もしましたが、だいたいにおいてクイーンや都筑道夫など論理派が好きな人にはお勧めの短編集です。ユーモアの方では、最後のひとつだけ長い『怪獣の好きな死体』が最も笑えました。
吉田警部補は最後犯人に自白させるため、罠をかけることが多いのですが、佐藤部長刑事がそれをやめさせようとするところ、そんな捜査は違法であることは承知の上で書いているんですよと言い訳している感じです。

No.1 6点 kanamori
(2010/04/28 23:42登録)
吉田茂警部補苦虫捕物帳、ユーモア連作ミステリ第1弾。
かつてのワンマン宰相似の主人公が、部下の佐藤富作部長刑事や田中角兵衛刑事を引き連れて、奇妙な死体状況の事件ばかりを解決します。
随所に出て来るクスグリは時代を感じさせて笑えませんが、不可解な謎とその合理的解答は少しも古びていないと思います。

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