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ミステリの祭典

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匿名原稿
私立探偵タナー

作家 スティーヴン・グリーンリーフ
出版日1992年11月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 7点
(2022/01/03 23:58登録)
タイトルどおり『ハムラビ法典を讃えて』と題された小説の匿名原稿の作者探しを、マーシュ・タナーが旧知の出版社社長に依頼されて調査を開始したところ、問題が次々に起こり最後には殺人までも、という事件です。原題はシンプルに、"Book Case"。
そんな内容ですから、様々な作家の名前が出てきます。ハメット、チャンドラー、ロス・マク、またタナーが、名前を「ハマーでしたかしら?」と間違われるシーンもあります。そんなハードボイルド系だけでなく、事件の説明を集めた関係者の前で開始する部分では、自分が「立派にポアロの役をつとめることができるだろうかと、ちょっと不安になった」りもします。ただしパズラー的な読者への伏線提示は最初から無視しています。
そのシーンの後、最後に内輪で原稿の作者を指摘する部分があるのですが、この真相は見当を付けやすいものの、推理には説得力があります。

No.1 6点 kanamori
(2010/04/30 17:30登録)
サン・フランシスコの知性派私立探偵・ジョン・タナー、シリーズ第7作。20年間に14作創作されシリーズは終了しています。
ネオ・ハードボイルドの知性派といえば、アルバート・サムソンが思い浮かぶ。タナーはどうしてもアーチャーの亜流の感じがして、サムソン程の個性を出していない気がします。
本書はシリーズ中、最も本格度が高く代表作だと思います。最後に関係者を集めた謎解きまでしてくれてますから。

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