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ミステリの祭典

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トリックー劇場版ー
テレ朝「トリック」ノベライズ

作家 蒔田光治
出版日2002年11月
平均点4.50点
書評数2人

No.2 6点 メルカトル
(2021/10/26 23:12登録)
売れない奇術師・山田奈緒子の元に、糸節村から神を演じてほしいという依頼がきた。「三百年に一度、大きな災いが訪れる」という言い伝えに怯える村人の不安を取り除くためだ。だが、村には既に神を名乗るものたちがいた。自著の取材に来ていた日本科学技術大学教授・上田次郎も巻き込まれ、次々と不可思議な現象が起こる。彼らは本物の神なのか?それとも全てトリックなのか!?堤幸彦ドラマの真骨頂、仲間由紀恵&阿部寛主演の大ヒット映画ノベライズ。
『BOOK』データベースより。

自身の脚本をノベライズしているだけに、コンパクトに纏まりながらも確りとツボを押さえて好感が持てます。本書を読んでいて、昔TVで放映していたのを観ていたのを結構細かい所まで覚えているものだなと自分でも感心しました。それだけ映画のインパクトが強かったのだと思います。特に奈緒子と上田の掛け合いがとても楽しめました。頭の中では二人の会話が仲間由紀恵と阿部寛の声に変換されて、まさにトリック・ワールドに没入することが出来ました。

トリックと言うよりマジックに近く、その種明かしをしているだけみたいな感じもありますが、暗号やダイイングメッセージの件などは面白く読めました。テンポ良く話が進みストーリー自体もなかなか良く出来ており、映画を観ていなくても十分その雰囲気は伝わると思いますし、短くても読み応えがないとは言えません。コミカルな面も意外にスケールの大きさもあり、最後まで飽きさせません。

No.1 3点 江守森江
(2010/04/26 07:00登録)
新作公開に向けて盛り上がって来たトリックの劇場版ノベライズ。
映画だと時間の制約でミステリーとして内容の薄さが際立ってしまう。
それをノベライズにすれば二百ページを切り、薄い内容に見合った中編になる。
持ち味である笑いの部分での細かなクスグリはレベルを維持しているのが救い。
ダイイング・メッセージや暗号は使い古しの推理クイズだし、マジックのタネ明かしや論理パズル問題もミステリ部分の補強にすらならない。
しかし、このレベルの作品をノベライズにする商魂の逞しさだけは見習いたい。
それを揃えている地元図書館もある意味凄い。
※余談
上記を見習い、払った地方税の元は図書館利用で取り戻すぞ!!

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