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ミステリの祭典

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季節の終り
アルバート・サムスン

作家 マイクル・Z・リューイン
出版日1989年06月
平均点7.00点
書評数2人

No.2 7点
(2019/03/11 23:51登録)
このシリーズを読むのは久しぶりで、アルバート・サムスンってこんな感じだったかなと思ってしまいました。巻末解説で原尞が書いているとおり、特異なキャラクター設定のない私立探偵であることは確かなのですが。ジョン・ラッツのアロー・ナジャーほど特別臆病ではないにしても、かなり心配性なところもあったように思うのですが、本作では態度はあくまで穏やかではありながら断固として捜査を進めていきます。
1984年作、サムスンは過去の事件や人物を調べるのに、自分で古い新聞を読んだりせず、友人のミラー警部補や新聞記者にデータ検索を頼んでいるのには、コンピュータ時代になってきていることを感じさせられます。最後に突き止めた何十年も前に姿を消した母親の行方の真相は、意外というかなんというか…
ところで、原題 "Out of Season" は「季節外れ」の意味ですが、原題も邦題も、内容との関連が今一つピンときません。

No.1 7点 kanamori
(2010/04/24 16:10登録)
インディアナポリスの私立探偵アルバート・サムスン、シリーズ第6作。<ネオ・ハードボイルド>の代表格の一人です。
サムスンは地味な知性派の私立探偵で、物語の発端も派手さがありませんが、読み進めるうちに流れるような文体に引き込まれていき、最後はプロットの秀逸さに感心してしまいます。
シリアル・キラーを出して物語を盛り上げなくても充分面白いミステリが書けるという見本だと思います。
今作では、もう一つのシリーズの主役パウダー警部補が脇役で出ているように、二つのシリーズは世界を共有しています。

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