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ミステリの祭典

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燃える男
元傭兵クリーシィ

作家 A・J・クィネル
出版日1982年08月
平均点7.50点
書評数2人

No.2 8点 斎藤警部
(2017/06/25 17:47登録)
男の三面鏡は反射角がソッポを向いてんだ。いや、ありふれた言い草より遥かに広大な女と男の四面鏡は。。そんな柔軟構造の素敵な『価値ある復讐』力作長篇だ(何言ってんだか分かんねえ)。
条件どうしの和やかに不穏な噛ませ合いから始まって。。主役も相棒も某も魅力あるな。リカが異様に美人設定なのも納得だ。ほぼルックスだけで彼らとのキャラクター勝負に引き分けなきゃならんのだからな。なんて思っていたよ。。 ピンタ。。。。。。。 君の可能性よ。。

『島』でのあのキラキラした大離別のひとくさり。 と、その後の一連の。。更に某との乾いたようで情けの沁みる別れのシーンまで最高にジーンとさせられる。
再会の後のまた再会。トビウオの様な叙述遠近法。 最高の’オーライ’ がそこに。

クリーシィ(主役、燃える男、元傭兵の星)がドクター・フックなんてチャラい音楽を好むのは驚いた。ブルー・バイユーはロイよりリンダか。ジョニー・キャッシュは俺も好みだぜ(刑事コロンボにも犯人役で出てましたね)。 ところで、その”逆アイリッシュコーヒー”みたいなカクテル、胸騒ぎを唆すよ。

なかなか刺さる’チョイ役バカ’の極限臨界瞬殺推理には眼を瞠った。

最終局面がちょっとだけバタバタの尻すぼみだったかな。。しかしラストシーンとエピローグの簡潔な味わい深さは格別。全篇通して名作力作。 読んでみい!

No.1 7点 kanamori
(2010/04/24 17:56登録)
元傭兵クリーシィが主人公の冒険サスペンス、シリーズ第1作。
シリーズものですが、本書に登場するクリーシィは2作目以降とだいぶ人物造形が異なる。傭兵を隠退し人生の生甲斐を喪失した男の再生の物語で、マルタの島での戦士の休息と再生のエピソードが非常に魅力的で印象に残りました。ボディガードの対象となる実業家の幼い令嬢との交流から、終盤の壮絶な復讐戦へ移行するプロットが効果的で、一級品の面白さです。

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