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ミステリの祭典

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暁英
贋作・鹿鳴館

作家 北森鴻
出版日2010年04月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 6点 makomako
(2011/09/12 21:20登録)
 北森氏の最後の長編。完成すれば大長編となったのだが。それでも大体のなぞについての手がかりは書き残してくれているので結末は想像がつく。もっとも氏の事だから大どんでん返しがあるのかもしれなかったが。
 鹿鳴館のなぞについて深く掘り返すだけでなく、西南戦争や大久保の暗殺に対しても極めて特異な解釈がされており作者の並々ならぬ歴史観が伺える。ところが話はあんまり面白くないのだ。北森鴻ならもっといくらでも面白くかけただろうに。氏の小説としては珍しく読んでいて退屈になってしまった。読者に対するサービス精神旺盛な作者であったが、最後の長編となったこの小説では自分が書きたいことのみを書いていったのだろうか。

No.1 5点 kanamori
(2010/05/26 23:05登録)
明治初期の東京を舞台に日本政府に招聘された英国人建築家を主人公にした謀略時代小説。
鹿鳴館の設計図に関わる謎を巡って、政府側要人と英国某商社の陰謀が渦巻く物語ですが、そういう面白そうなプロットの割に、作者はエンタテイメントを追求する小説創りをしていないので、手放しで楽しめる小説ではありませんでした。
作者急逝のため未完のまま物語終盤で小説は終了していますが、完結されていたとしてもこの感想は変わらないと思います。

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