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ミステリの祭典

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銃弾の日
タイガー・マン

作家 ミッキー・スピレイン
出版日1965年01月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2017/01/08 22:56登録)
タイガー・マン・シリーズの第1作で、作中で彼は「おかしな名前でしょう? でも、おやじが、そうつけたんです」と自己紹介しています。綴りはTiger Mann。『ヴェニスに死す』の作家と同じ姓なんですね。ファースト・ネームの方は、今では確かにそういう名前の有名人もいるしね、といったところです。
タイガーは諜報機関に所属していて、国連で機密情報が東側に漏れている事件が話の中心にあります。一応国際政治を背景にした作品だけに、共産主義嫌いの作者らしさはマイク・ハマーものよりもはるかに露骨に表れています。ただしどんな機密なのかの説明などは当然ながら全く無視していて、謀略スパイ小説としてのおもしろさはなく、国際政治は派手なアクション・スリラーのための方便に過ぎません。
その一方で特にラスト・シーンなど、スピレインの官能的な甘さが存分に発揮された作品でもあります。

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