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ミステリの祭典

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赤い森

作家 折原一
出版日2010年04月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 E-BANKER
(2016/11/08 22:18登録)
2010年に発表された長編、と言うべきか、“ツギハギ”作品と言うべきか・・・
「黒い森」という作品が先行して発表されているが、直接的なつながりはない。

~「あの家で何が起こったのか、実際のところ誰も知らないんだ・・・」。樹海の入口に立つ民宿の主人は、客の反応を窺いながら満足げにうなずいた。森の奥深くにある山荘で起こったとされる一家惨殺事件。その真相を知ろうと足を踏み入れた者が遺した「遭難記」。謎に惹かれ、また新たな若者が森の奥へと招かれた・・・。迷いと惑い、恐怖が錯綜する驚愕のダークミステリー~

本作は祥伝社の400円文庫として刊行された「樹海伝説~騙しの森へ」と「鬼頭家の惨劇~忌まわしき森へ」の二作をそれぞれ章立てとし、新たな書き下ろしである「第三章」を加えてひとつなぎとした形式。
「樹海」をめぐるリドルストーリーという共通項はあるものの、どうだろうな・・・やっぱり無理矢理つなげた感は否めないかな。

「盛り上げ方」はいかにも折原っぽい。
一見して狂った人物や、実は狂っている人物が次から次へと主人公たちを恐怖に追い込んでいく。
読者の期待もそれに従っていやがうえにも高まっていく・・・
これでミステリー的に納得感のあるオチが付けられれば「良作」という評価になるのだけど、本作ではそのようなオチは用意されていなかった。

これをリドルストーリーとして好意的に捉えるか、「なんじゃこりゃ? オチがないじゃん!」って捉えるかは読み手次第。
(まぁ一応オチらしきものはあるのだが・・・)
折原ファンの私としては、「まぁこれも折原らしいかな・・・」というような感想になる。

これだけの作品数を誇る作家なのだから、全作品が素晴らしいということにはならないだろう。
まずまず、という評価でいいのではないか?
かなり甘めですが・・・
(文庫版のP.403~406がツボ! 相当こわい)

No.1 6点 蟷螂の斧
(2013/08/06 12:31登録)
「樹海伝説」「鬼頭家の惨劇」に新たに書き下ろした「赤い森」を加え、加筆、訂正したもの。樹海の中の山荘にまつわる伝説は、10年前、スランプに陥った作家が、妻と子供を殺害し、その後行方不明になったというものである。さて、その真偽は?・・・・・。叙述よりも、樹海の中へ迷い込んだ感覚~小説の中に迷い込む~を楽しむほうがベターなような作品でした。オチは、ブラックで好みなものでした。

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