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ミステリの祭典

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本格推理⑥悪意の天使たち
鮎川哲也編

作家 アンソロジー(国内編集者)
出版日1995年05月
平均点3.00点
書評数2人

No.2 5点 ミステリ初心者
(2024/05/23 19:17登録)
ネタバレをしております。

 非常に昔に買っていて、移動中などにちょくちょく読んでおりました。半分ちょっとまで読んで、そのまま数年経ってしまっていました;; 今やっと読み終わりました。そのため、半分ちょっとより前は大分記憶が薄くなっています。軽く読み直してからひと言ずつぐらいコメントを書きますw
 原稿枚数制限がある短編集なので、現実性や論理性を求めすぎるのは酷だとおもいます(でもそうだったら高評価でw)。心に残るような要素があったら満足です。

・閉ざされた山荘にて
 本格色の強いクローズドサークルで満足しました。ちょっとチャイナ蜜柑を意識した作風ですが、服が逆なことの使い方は本家より面白かったです。フェア度が高く、すべてがわからなくても犯人が当てられました。

・やさしい共犯
 スイマセン、あまり印象に残りませんでした;;

・雪かきパズル
 小さな疑問から論理的に犯人を当てる本格色の強い作品でした。難易度が高く、私にはさっぱり当てられませんでしたw

・殺しのからくり
 ドンデン返しがあるトリックもので凝っています。個人的には共犯があるのが好きでは無いですが、ドンデン返しに効いてます。

・不思議と出会った夏
 不可解な現象を論理的に解決する感じの作品。すべての謎の解決にに説得力がありますが、やや印象が薄い作品でした。

・犬爺さんの事件
 結末を想像すると不謹慎ながらちょっと笑えますが、これは当てられる気がしませんw 

・よりによってこんな時に
 アリバイトリック+犯人当て+動機当て全部混ぜ込み豪華セットみたいな感じですが、どうも地味な印象を受けました。

・サンタクロースの密室
 読後感がよい密室もの。これみよがしにココアがあるので、これを使って鍵の受け渡しをしたのはすぐわかりました。しかし、ヤカンからコップにココアを注ぐ際、鍵がコップに当たって音が出るんじゃないかな?って思いますが。

・時間収集家
 ちょっとした館もので、時計がいっぱいある特殊空間。時計が犯人当てにかかわってくるのが良かったですが、時計を交換するのもリスクでそれを悟らせないようにぶっ壊しまくるのもリスクがあるんじゃなかなw 

・うちのカミさんの言うことには 2
 天窓とくりゃ、そりゃそうだよなという展開w 細かい点は気づけなかったですが、天窓を壊した人間が犯人だと決めつけましたw

・午前零時の失踪
 非常に凝った作品ですが、密室も入れ替わりも既視感があります。しかも、これ本当に成功するのかな…?といった感じw 短編なので蓋然性は度外視するとしても、既視感が強いのはいまいちかも?(他作品もそうだけどw)

・青い城の密室
 精神病院や双子という面白そうな雰囲気のワードが出ますが、割と普通の密室殺人に落ち着きます。でも、電気ショックでの殺人って、解剖でわかっちゃうんじゃなかったでしたっけ? 接触部が焦げるとかして。

・早春賦
 これはダメでした;; 物語全般で興味が湧かず、真相を見てみてもフーンって感じで…w


 全体的に、綺麗にまとまった本格物が多かった半面、心に残るような個性のある作品はなかったように思えます。
 うちのカミさんの~って、タイトル、既視感があったので勝手に1を読んだと思っていたのですが、そうじゃなかったみたいですw

No.1 1点 Tetchy
(2010/04/04 21:59登録)
とうとうシリーズのどん底を見た。今回は全く印象に残らなかった。
小説である以上、物語を読んだ時の何かが心に残っていいものだが、それが無かった。13編もあって1編もそういったものがないというのも困り物。

最も全く記憶に残らないものがあったわけではない。「不思議と出会った夏」、「うちのかみさんの言うことには2」とかトリックが印象に残ったものもある。
しかし今回各作品に共通するのが推理クイズの域を脱していないこと。自分の創造したトリックに酔って、どうだ、すごいだろと云わんばかりである。似たような設定、似たような展開の連続で辟易した。

あと鼻につくのが、シリーズ探偵とも云うべき人物を立てている事。正にミステリ作家になれるもんだと高をくくっているような横暴ぶりである。
上にも書いた「うちのかみさんの言うことには2」なんて「1」が掲載されていないにもかかわらず「2」と題している辺り、片腹痛い。

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