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ミステリの祭典

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灰色の季節 ギョライ先生探偵ノート

作家 梶龍雄
出版日1983年01月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 6点 nukkam
(2017/05/03 12:42登録)
(ネタバレなしです) 「ギョライ先生探偵ノート」という副題を持つ1983年発表の短編集です。作中時代は1940年前後、旧制中学生の正彦が実質的な主人公で登場場面も多く、ギョライ先生(頭が魚雷の弾頭に似ているからつけられた渾名の担当教師)は名探偵役ですが活躍は控え目です。作者が得意とした時代小説要素と青春小説要素を併せ持つ本格派推理小説の短編を6作収めています。謎解きとしては「イソップとドイルと・・・」と「夜から来た女」がまずまず楽しめました。長編作品ほどの奥行きのあるドラマではありませんがそれでも戦争の暗い影が随所でちらつきます。

No.1 7点 kanamori
(2010/03/28 15:09登録)
太平洋戦争前の旧制中学を舞台背景にした連作短編集。
ギョライ先生探偵ノートという副題がありますが、正彦少年などを中心にした青春ミステリの要素が強い第1短編集です。
「おふくろは霊媒」などの本格ミステリよりも、戦争の影がさしてくる後半の作品のほうが強く印象に残りました。正に灰色の季節です。
マイナーな出版社のためか文庫化もされず、手軽に読めないのはもったいない秀作短編集だと思います。

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