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ミステリの祭典

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人外境の殺人

作家 早見江堂
出版日2009年01月
平均点3.00点
書評数2人

No.2 3点 nukkam
(2015/08/18 10:41登録)
(ネタバレなしです) 矢口敦子が早見江堂名義で書いた三部作の最終作で2009年に発表された本格派推理小説です。「本格ミステリ館消失」(2007年)、「青薔薇荘殺人事件」(2008年)との因縁のある物語で、過去作品のネタバレもあるし多くの登場人物が再登場していますのでいきなり本書から読むことはお勧めできません。クリスチアナ・ブランドの短編「メリーゴーラウンド」での相手の尻尾を噛もうとぐるぐる回る二匹の狐のたとえ話のように、ニィとサンが問題ある人物設定のため、探偵役と容疑者の立場さえもが二転三転する錯綜するプロットで読者を混乱に陥れます。被害者が本当に死んだのかさえも怪しくなります。12章では推理に乏しい告発と狂気じみた自白の応酬となり、私は謎解きへの集中力が完全に切れてしまって何がなんだかよくわからないだけでなく(真相が)どうでもいいやという気分になってしまいました。

No.1 3点 江守森江
(2010/03/20 22:33登録)
クズミス、ダメミス三部作の第三弾。
三冊目まで読了すれば、伏線の回収と仕掛けに救いはあった。
しかし、評判を知り一作目から手を出しずらく、全三作の読了を読者に期待するのは‘酷’過ぎる。
基本的に面白くない本を三部作で出版するのは禁忌だろう。
篠田秀幸の某作、汀こるもの、水田美意子、作者と読み進め残されるは山田悠介「リアル鬼ごっこ」だけになった。
☆私的な用語定義
※「バカミス」→笑い・脱力・現実味の薄さ・仕掛けなどが突出した本格ミステリを総称している(ある意味褒め言葉)
※「クズミス・ダメミス」→作者の独りよがりが突出して全く面白くないミステリーの総称(表記の如くゴミ箱一直線)

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