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ミステリの祭典

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赤い森の結婚殺人
里中邦彦シリーズ

作家 本岡類
出版日1986年08月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 nukkam
(2017/07/01 15:59登録)
(ネタバレなしです) 1986年発表の里中邦彦シリーズ第2作の本格派推理小説です。「白い森の幽霊殺人」(1985年)のように邦彦がオーナーのペンション「銀の森」が舞台ではなく、ホテルの披露宴で花嫁が消えてしまう不思議な事件を扱っています(後には殺人事件も起きます)。新しい証拠が見つかるたびに謎は深まる一方、誘拐なのか偽装誘拐なのか邦彦や警察の推理もいい線まで行きそうで何度も壁にぶち当たります。どうやっての謎解きも悩みますが、シンプルにさりげなくできそうなのをなぜ複雑に派手にやったのかという謎がそれ以上に難解です。プロットは読みやすいですが真相は計画的な行動ととっさの行動が絡み合う非常に複雑なもので、多分読者が完全正解するのは無理ではないでしょうか。

No.1 6点 kanamori
(2012/03/20 18:35登録)
信州にある高原のペンション”銀の森”のオーナーが素人探偵を務める本格ミステリ。「白い森の幽霊殺人」に続くシリーズの2作目です。
驚天動地の大仕掛けがあるわけではないが、いくつかの物理的トリックを織り込んだ全体のプロットは一定水準をクリアしていると思う。樫尾刑事から情報が入る毎に、何度も仮説を組み立てては崩していく探偵役のオーナー里中の推理過程が丁寧に描かれているのも好印象。
結婚披露宴会場のゴンドラからの花嫁消失トリックの仕組みはだいたいの予想がついたが、焼死体の手首の役割は意外だった。ただ、いきなりの軌道修正でそこまでやれるものだろうかという疑問はある。

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