蘭の告発 バーナビー警部 |
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作家 | キャロライン・グレアム |
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出版日 | 1989年12月 |
平均点 | 6.50点 |
書評数 | 2人 |
No.2 | 9点 | nukkam | |
(2014/08/22 15:55登録) (ネタバレなしです) 若い頃にはプロのステージダンサーだった経験もある英国のキャロライン・グレアム(1931年生まれ)はミステリー作家としてのデビューは50歳過ぎと非常に遅く、しかも最初は鳴かず飛ばずでしたが1987年発表のバーナビー警部シリーズ第1作にあたる本書が好評で、英国本格派推理小説の書き手としての地位を確立しました。小さな村を舞台にした、まさしくヴィレッジ・ミステリーですが内容は決して軽くなく、真相には恐いぐらいの衝撃があります。文章は読みやすく、本格派推理小説としての謎解きもよく出来ていますが、推理ゲーム感覚で読むような作品ではありません。バーナビー警部が見事に真相を見抜くのですが、それはまた秘められた悪意と残虐性、そして悲劇的運命がさらけ出された瞬間でもあります。知ってはいけないものを知ってしまったような気分にさせられる作品です。 |
No.1 | 4点 | 江守森江 | |
(2010/02/20 16:31登録) AXNミステリーで「バーナビー警部」のドラマ版を観て、原作を読みたくなった。 十年以上のドラマシリーズ継続で、現在のドラマ(ストーリー)はオリジナル。 本作はバーナビー警部シリーズ第一弾で初期にドラマ化されている。 現在まで綿々と続くドラマの展開そのままに、閉鎖的な田舎町での人間関係を地道な聞き込み捜査で紐解き意外な犯人に到達する。 その意味ではドラマとセットで楽しめる。 しかし、プロローグをミスリードに使うやり方、プロローグから共犯を匂わせるも安吾「不連続~」な結末、シェークスピア等に詳しくないと分かりようがない伏線と、原作小説単独では今一つだった。 ドラマが非常に楽しめ期待していただけに残念でもある。 |