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ミステリの祭典

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うつろな男の死
バーナビー警部

作家 キャロライン・グレアム
出版日1993年06月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 6点 nukkam
(2015/09/06 02:02登録)
(ネタバレなしです) 1989年発表のバーナービー警部シリーズ第2作の本格派推理小説です。作者自身が演劇界で働いていた経験があるからか劇団の舞台裏描写がとてもしっかりしています。デビュー作の「蘭の告発」(1987年)が暗く重い読後感があったのに比べて本書は随分と明るく軽くなった気がします。登場人物を多彩に描き分ける手腕は本書でも発揮されていますが、前作と比べてサイドストーリーが増えて若干冗長になった感じがしました。あと殺人場面の描写、リアルな出血シーンがあるわけではありませんが思わず自分の喉を押さえてしまいました。苦手なんですけどねえ、ああいうのは。

No.1 4点 江守森江
(2010/02/22 09:07登録)
これ以降のバーナビー警部シリーズ原作が翻訳出版されず、ドラマ版が一人歩きしている事に納得する作品。
事件が起こるまでに半分を要しながら登場人物像を書き分け、人間関係を描いている。
人物描写に優れると判断するか、テンポが遅く読み難いと判断するかで作品評価が分かれる。
閉鎖的な田舎町の演劇サークル内でのフーダニットは(ドラマも含め)シリーズらしいが、人間関係を紐解き犯人に到達する為、もう一つ論理的ではない。
更に、聞き間違いなダイイング・メッセージも発音の関係から翻訳(吹替も)では通用しない。
ハッキリ言って、原作の長所と雰囲気をそのままに、約二時間に纏めてテンポの良いドラマ版(字幕)の方が格段に楽しめる。

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