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ミステリの祭典

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本格ミステリの王国
有栖川有栖

作家 評論・エッセイ
出版日2009年12月
平均点6.33点
書評数3人

No.3 6点 HORNET
(2012/12/01 18:18登録)
 有栖川有栖の各所でかかれたエッセイをまとめたもの。過去の偉大な推理作家について一考する文章や、ミステリについての薀蓄、著者の構えなどが書かれている。
 自分はファンだから面白い。氏が学生時代にミステリサークルで披露した、「学生アリスシリーズ」の原型などはうれしかった。綾辻行人、歌野昌午あたりの新本格ファンであれば皆それなりに楽しく読めるのではと思う。

No.2 7点 こう
(2010/03/14 00:22登録)
 今回はミステリのみのエッセイで以前のエッセイ以上に楽しめました。クイーンの未発表梗概の幻の小説化の話などこれまでに出てこなかった話も興味深かったです。
 学生アリスの未発表習作も内容はともかくアリス、望月、信長、江神などのキャラクターは発表作品に近い感じがしました。容疑者グループの人間関係はおそらく「月光ゲーム」に転用していると思います。「弊履のように捨てられた」などという月光ゲームに使われたフレーズがそのまま出てくるのも愛嬌でしょう。
 江神シリーズの今後についても言及されていましたが作者が「いつまでも続く学生の物語は滑稽」とか「学生があちこちで連続殺人に巻き込まれるのは三作でも無理がある」などと考えているのは非常に残念です。滑稽でもいいので火村シリーズを中断してでも江神シリーズをもう少し書いてほしいと個人的に思ってしまいます。内容的にはそんなに量産できないシリーズなのでしょうが。
 他にも「トリックの分類」の所など面白い一冊でした。エッセイについていえば作品以上にむらがなく安定していると思います。有栖川有栖氏のエッセイは個人的に面白いのですがエッセイの出版ペースだけは早いので「女王国の城」が出るまではエッセイと火村シリーズはいいから早く江神シリーズを書いてくれ、と思っていたのを思い出します。 

No.1 6点 江守森江
(2010/01/31 00:10登録)
本格ミステリ論・創作論・トリック論などをエッセイとして各所に発表した物に新たなエッセイを追加して纏めた物。
今後短編集に収録しない宣言付きな学生時代の習作短編も同時収録。
一番読み応えがあるのは「トリックの創り方」で、テキストとしての作品紹介も参考になる。
私的に、江神シリーズ以外の小説をさして評価していない作家ではあるが、根本的なミステリ嗜好は同系統なので作者の評論やエッセイは非常に楽しく読め共感できる。
このエッセイでも触れられている「安楽椅子探偵」の新作を早く観たいものだ!
(前回みたく全国ネットでの放送を切に願う、それか以前の再放送込みでAXNミステリーでの放送でもいい)

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