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ミステリの祭典

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帝銀村の殺人
弥生原公彦シリーズ

作家 篠田秀幸
出版日2002年08月
平均点4.00点
書評数2人

No.2 5点 nukkam
(2014/11/17 18:45登録)
(ネタバレなしです) 2002年発表の弥生原公彦シリーズ第5作の本格派推理小説です。ハルキノベルス版の作者による巻末解説で、このシリーズが往年のミステリー作品のオマージュと現実の犯罪の研究を特色としていることが紹介されていますが、特に本書は過去の犯罪(帝銀事件)の分析に非常に多くのページを割いており、また松本清張の犯罪ドキュメント「小説帝銀事件」(1959年)(私は未読です)を強く意識しています。そのためか名探偵の活躍する本格派推理小説としては物足りなくなってしまい、「読者への挑戦状」の直後のコメントにあるように「(弥生原が)他人の推理に感嘆の意を露にするだけで自分なりの推理を述べていない」状況が長々と続きます。かなり後半になって新たな事件を起こして謎解きを盛り上げてはいますが、展開的には遅すぎの感があります。

No.1 3点 E-BANKER
(2010/03/26 20:57登録)
名探偵、弥生原公彦探偵譚の第5弾。
氏の作品は、多くが「過去作品(主に横溝)へのオマージュ+戦後の未解決事件の考察」という形式です。
本作は、タイトル通り「帝銀事件」の再考察をベースとしていますが、オマージュの方はあまり感じませんでした。(一応、作者によれば「病院坂」と「本陣」らしいですが・・・)
もちろん、「帝銀事件」自体、謎に満ちた不可思議な事件であり、その推理自体は面白いことは面白いんですが、これは別に作者本人の力量ではなく、過去の同種の研究書のつなぎ合わせであり、本人の考えを若干付け加えた程度、という印象が拭えません。
現代の事件については、動機が全くもって納得できません。特に、帝銀事件を模した大量毒殺事件の動機は「それはないだろう・・・」という気持ちにさせること請け合いです。
まぁ、一言でいえば「凡作」なのですが、「帝銀事件」を知るという価値だけはあるでしょう。

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