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ミステリの祭典

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夜の配当
伊夫伎亮吉「トラブル・コンサルタント」

作家 梶山季之
出版日1963年01月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 5点 斎藤警部
(2025/06/04 00:40登録)
「経営者ならびにサラリーマン諸君! 会社のことで、困ったことがあったら、どんなことでも相談に来てください」

S30年代後半。 ”トラブル・コンサルタント” なるインチキ会社(?)を隠れ蓑に(?)、産業界~財界人を手玉に取り、アノ手コノ手で違法スレスレの金儲けをワラシベ長者方式に積み重ねる奇妙な脱サラ男。 このアノ手コノ手の経緯がオモロイわけやね。 美女たちを器用に道具使いする彼には、純な恋愛対象の女性がおりました。 裏表あるんは、主役だけやあらへんさかいにな。。

本作の少し後に出た、東京オリンピックをテーマにした同著者の『のるかそるか』に似てる所があったけど、かの作のピッカピカの主役とその行動や志に較べたらこちらの主役の魅力は七掛け程度。 小説そのものはもう少し落ちる。 だが短時間にサラッと読むには悪くない。 中篇感の強いライト長篇(昭和のラノベ/大人のラノベみたいな?)。

「警視庁の者です。 ちょっとお尋ねしたいことがあるので、ご同行願えますか」

これ言ったらネタバレかも知らんけど、、 物語の起伏も呆気なく毒気が抜かれたか ・・ と鼻白んだ直後、なおまた前向きに力強く締まってクローズしたのは良かった。 続篇でも頑張れよ。

No.1 7点 江守森江
(2009/11/14 22:10登録)
平凡なサラリーマンからトラブル・コンサルタントに転じた男の悪漢小説。
法の抜け道を利用して社会を生き抜く作品群の先駆けと云える。
痛快で非常に面白いが現在では法整備も進み通用しない手口になっている(当時は悪用されない為に嘘を混ぜていた)
本質は現在の知能犯罪に通じていて勉強にもなる。

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