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ミステリの祭典

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ふりむけば霧

作家 笹沢左保
出版日1987年01月
平均点5.67点
書評数3人

No.3 6点 パメル
(2021/08/11 09:08登録)
時効成立まで一年半。十八歳のとき殺人を犯し以来、逃亡生活を余儀なくされていた千早芙美子は十三年半ぶりに上京を決意した。しかし、その機中で最も会いたくなかった人間、自分が殺した女性の夫・八ツ橋待彦に出会ってしまう。だが以外にも待彦は、芙美子に逃亡の援助を申し出たのだった。
読み進めていくうちに、官能小説?と錯覚するほどのエロチックな描写が多く出てくる。(作者の後期の作品の特徴らしいが)時効まであと数日とサスペンスが高まったところでのカタストロフと意外な真相。このどんでん返しには驚かされた。他の笹沢作品にも似たパターンは無いと思うので、彼の作品を読み慣れていても、あの真相を予想することは難しいのでなないか。
ただ、序盤に明記されている「地の文章の虚偽」が、あの真相をアンフェアと思う人もいるかもしれません。その点に関する説明は、しっかりと書かれているのですが。

No.2 5点 あびびび
(2013/11/26 15:41登録)
ストーリーも真相も、火曜サスペンスを見ているような感覚に陥った。しかし、面白くないわけではなく、順次読ませるネタがあり、読後感も悪くなかった。

〈ネタばれ〉ただ、指摘されているように、殺したはずの相手がもうろうとして分からなかった、というのはどうも現実味がない。

No.1 6点 こう
(2009/11/03 22:41登録)
 18歳で殺人を犯した女性が主人公であと1年半で時効というところで殺した女性の夫と出会ったが彼は警察にはつき出さず主人公を匿いといったストーリーです。
 これも本格ミステリフラッシュバックの解説で期待して読んだのですが性描写がくどく感じました。またストーリーの展開が予想されやすい展開で現代では驚けない作品かと思います。真相が錯覚を利用したかなりご都合主義なのも気になりました。

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