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ミステリの祭典

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深い失速

作家 戸川昌子
出版日1967年01月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 虫暮部
(2022/07/02 15:31登録)
 一体何が起こっているのか良く判らず。事件の表層が上手く描かれていないので、真相はそれなりに面白いのに説明的に感じた。心の不安定な人物が多々登場するが、モティヴェーションが不明のまま深入りして行く語り手が最右翼だったりして。

No.1 6点 kanamori
(2014/07/02 23:14登録)
警察から精神科医の「私」の病院に、ある大学生の精神鑑定と保護を依頼してきた。その患者・丹野は、”長い武器”で人妻を殺したと自供してきたが、調べてみるとその女性は生きているという--------。

「本格ミステリ・フラッシュバック」からのセレクト。文庫版200ページ余りの短めの長編ながら意外と読み応えが有りました。
「私」が関係者を訪ね歩くうちに、丹野と”架空の被害者”大和田夫人という二人の人物を中心にした複雑な男女の相関図が描かれていきますが、”事件現場”の大和田夫人のマンションで何が起きたのか?というのが謎の核心で、この真相が掴めそうで掴めないサスペンスで読ませます。
精神科医が探偵役であることで、”告白”がある先入観を生み、普通に考えれば分かりやすいトリックを隠蔽する巧いミスリードになっていると思います。

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