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ミステリの祭典

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戦慄のシャドウファイア

作家 ディーン・クーンツ
出版日1989年05月
平均点7.00点
書評数2人

No.2 6点 kanamori
(2010/04/14 20:18登録)
モダンホラーとは「怖くないホラー」とか何かで定義されていましたが、本書は怪物が出てくるからホラーなんでしょうけど、ほとんど全篇が追いかけっこの印象で、ホラーというより極上のサスペンス小説の味わいでした。
まあ、ジャンルはどうでもいいことで、読んで楽しかったのは間違いないです。

No.1 8点 Tetchy
(2009/10/25 20:24登録)
ジェットコースターのような疾走感で今回も物語は駆け抜ける。しかも相手は正真正銘の怪物で自分が想像していたモダン・ホラーかくありきという形と合致しており、非常に小気味よい。

物語はクーンツ特有のなかなか本質を明かさない焦らした駆け引き(本当にじれったい!!)をしながら進み、まず主人公二人は追う立場で始まる。そこでご対面とならずに今度は一路ラスベガスに向かい、主客一転して今度は追われる身になる。この辺りの構成の妙が実に巧い。
また脇役で出てくるフェルゼン・《石》・キール氏の造詣もまた印象的だ。これが結末において、ある人物の行動に必然性を与えている。

ただ、やはり良くも悪くもこのエンターテインメント色の濃さがハリウッド的でいささか軽めに感じるのも事実で、もうちょっとそれぞれの人物・エピソード・文体等、文学的深みがあってもいいのではないかと思われる。

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