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ミステリの祭典

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悪魔は夜はばたく

作家 ディーン・クーンツ
出版日1980年05月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点
(2012/10/04 09:25登録)
本の裏表紙の説明文に該当する冒頭の30数ページまでの書き方は、さすがだと思った。「ベストセラー小説の書き方」を書くだけのことはある。ミステリー・ファンなら、この部分を読んで、まちがいなく奮い立つだろう。
でも、その部分を読んだだけでは、主人公の透視能力者メアリーがどのように事件にかかわっていくのか、全く読めなかった。メアリーが探偵となって連続殺人犯を推理するだけの小説ではない、ということぐらいしかわからなかった。
後半のクライマックス場面も凄かった。最終場面のサスペンスは真に迫ってくる。映像を見ているようだった。

それに、怖いだけで謎解き要素のあまりないホラー・サスペンスなのか、サスペンスタッチの謎解きミステリーなのか、最後までわからないように構成してあったのもよかった。実は、中途を必死になって引っ張っているので、深読みして、ふたを開けてみれば犯人は見知らぬ変質者でした、なんていうのも想像していた。
それにしても事件の解決の仕方が面白い。かよわい主人公と思っていたが、そうでもなかった。

「ベストセラー小説の書き方」を書くぐらいの上手い書き方、上手い文章なので、どんな結末になっても満足はしていただろうけど、読書を終え、ふり返りながら冷静に考えてみると、二流のミステリー・ドラマのようにも見えてしまった。
よって満足感も中の上ぐらいかな。

No.1 6点 Tetchy
(2009/10/21 00:37登録)
今回もサイキック物で、主人公はこれから起きる殺人事件が予見できる能力をもった女性。これが同時に事件を解決出来るような知力と腕っぷしを持ち合わせていないのがミソ。
だが今回はあまりに売れる小説を書くことに専念したクーンツのあざとさがいやに目立った。特に犯人が早々と判っているのにも拘らず、じれったく引っ張っていく嫌らしさ。マックスを犯人にも仕向けるあからさまなミスリードの数々。
それに冒頭の犯人が主人公を名指しするエピソード、あれは一体何だったの!?

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