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ミステリの祭典

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火と汐

作家 松本清張
出版日1976年02月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 7点 斎藤警部
(2016/09/11 12:52登録)
火と汐/証言の森/種族同盟/山
(文春文庫)

ライト社会派、ではないが清張にしては軽い、しかしながら質は相当に高い本格ミステリ短篇集社会派寄り。

本格色の強い表題作の海上アリバイ工作は西村京太郎「赤い帆船」の中で微に入り細に入りネタバレというか解説され倒しています(但し必然性は有る)ので、そちらを読まれる際は御注意を。というより「火と汐」を先に読まれるのがベストかと。鮎川ファンの方にも薦めたい。

No.1 6点
(2009/10/11 09:57登録)
表題作と、『証言の森』『種族同盟』『山』の4篇からなる短編集です。
表題作は、刑事二人がアリバイ崩しに挑む、「点と線」の簡易版といった謎解き本格モノです。ただ、かなり確実性の低いアリバイトリックなので、感動はありません。
その他の作品はアリバイ崩しモノではなく本格性は低いのですが、謎をうまく積み重ねて読者を引き込んでくれます。『証言の森』は時代設定が戦前で古めかしすぎて抵抗がありましたが、実はその古さにもわけがありました。これと他2作は、それなりに楽しめました。
4作の共通点は女性が被害者であること、それから雰囲気がみな陰鬱なことです。すこし陰鬱すぎるとも思いましたが(だいたい清張作品は暗いですね)、結果的には、いつものようにぐいぐいと引き込まれていきました。

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