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ミステリの祭典

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高く孤独な道を行け
探偵ニール・ケアリー・シリーズ

作家 ドン・ウィンズロウ
出版日1999年06月
平均点8.50点
書評数2人

No.2 9点 Tetchy
(2010/06/28 21:05登録)
ニール・ケアリーシリーズ3作目の舞台はなんと地元アメリカ。西部の山奥でカウボーイたちの暮すオースティンのさらに奥、通称“孤独の高み”と呼ばれる集落だ。
物語は中国の山奥で早朝に伏虎拳の修行に励むニールの姿で幕を開ける。う~ん、なんとも映像的ではないか。映画『ミッション:インポッシブル』を髣髴とさせるようなシーンだ。

そして今回の展開は痛い。実に心が痛む物語だ。毎度毎度の潜入捜査ながら、マンネリに陥らず、物語に深みが増している。1作目に「潜入捜査の終わりは裏切りだと常に決まっている」と書かれていたが、今回はまさにそう。
命の恩人を裏切り、愛してくれる女に毒づき、自分の主義・真意を偽り、任務を全うしようとするニールの心引き裂かれんばかりの葛藤。いやあ、3作目にしてこの濃密さ。ウィンズロウ、実に巧い!思わず目蓋に熱を感じてしまった。

そして1,2作とほろ苦い結末を終えていたこのシリーズだが、今回は違う。おそらく人生の相棒となりうる恋人カレンを手に入れるのだ。“孤独の高み”を乗り越えたニールはもはや孤独ではない。今までの恋人と違うのはカレンがニールの仕事を知っていることだ。さて今後カレンがこのシリーズにどう関わってくるのか。残り2作、楽しみにしたい。

No.1 8点 itokin
(2009/10/03 11:32登録)
西部劇とランボーとをごっちゃにした探偵活劇、ノンストップで最後まで楽しめるニールがスーパーヒーローでないのが良い。3作目らしいが1,2作を読んでいたらもっと親しみがわいたかもしれない。

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