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ミステリの祭典

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当確への布石

作家 高山聖史
出版日2007年06月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 猫サーカス
(2020/10/14 18:12登録)
大原奈津子は、女性学を専門とする准教授であると同時に、犯罪被害者を支援する活動家として世間に顔を知られていた。ある時、東京6区の衆院議員が辞職したため、その補選が行われることになり、奈津子は立候補を決意した。だが、すぐさま何者かの妨害工作を思える事件が起こった。奈津子は、さっそく元刑事の男に調査を依頼したのだが...。清廉で生真面目なヒロインが選挙にのぞむ実態を本作ではうまくフィクションに仕立てている。ここまで具体的なエピソードが盛り込まれた作品も久しぶりだ。選挙戦の一部始終が現実さながらに描かれているのである。そして勝敗の行方ばかりか、裏側の薄汚い陰謀やヒロイン自身の過去が絡むなどして、物語は重層的に展開していく。選挙戦をめぐる迫真のサスペンスとしてお薦め。

No.1 6点 江守森江
(2009/09/06 21:07登録)
このミス大賞系の作品で、広範なミステリーの一角にある選挙サスペンス。
票読みや天気と投票率の影響など、先月の衆院選時(翌日の台風直撃が当日だったら・・・とか)に読めば一層楽しめたと思う。
どの道、選挙活動その物がサスペンスなのだから普通に描けば良いだけ。
散らばったエピソードも最後は収束するし、選挙物としては一捻りした結末は楽しめた。
怪しげな影の選挙参謀なオバチャンの存在がニクい。

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