盗まれた都市 私立探偵・左文字進シリーズ |
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作家 | 西村京太郎 |
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出版日 | 1978年04月 |
平均点 | 6.00点 |
書評数 | 2人 |
No.2 | 5点 | 蟷螂の斧 | |
(2019/01/27 19:16登録) 設定(洗脳)が数百人の村であれば理解できますが、人口十万都市となるといかがなものか?という気持ち。SFチックな気分で読まざるを得ず、残念でありました。ドイツ、日本以外の国、例えばアメリカを舞台にした方がよかったのかも?。 |
No.1 | 7点 | E-BANKER | |
(2009/07/30 22:32登録) 私立探偵、左門字進シリーズ。 日米ハーフの名探偵左門字が活躍するシリーズは、作者初期の野心溢れる良質な作品が並んでいます。 人口10万人のある地方都市が、ある日を境に突如「反東京」という狂気に支配されてしまう。その謎を解明すべく乗り込んだ左門字夫妻は、たちまち狂気に巻き込まれ、あげくの果てには殺人事件の容疑者にされてしまう。さて、この「狂気」の正体は何か? というのが本作の粗筋。 何はともあれ、この「プロット」自体がたいへんによくできており、面白い。 左門字もこの理不尽な狂気に巻き込まれるわけですが、それに対して冷静にかつ鋭い観察&推理力で対抗する姿に何ともいえない魅力を感じてしまいます。 真相は、意外といえば意外で、想定内といえば想定内(どっちだ?)。 現実的に考えて、マスコミはともかく市民感情をここまでコントロールできるのか? という疑問は湧くのですが、ナチズムの例を出すまでもなく、人間とは「より声の大きい方」へ流されてしまう特徴があるのでしょうし、特に日本人はその危険性がより大きいような気はします。 まぁ、昨今溢れてる作者のトラベルミステリーとは一味も二味も違う作品ですし、一読に値すると言ってよいでしょう。 (マスコミの功罪って大きいですよねぇ・・・本作を読んで、まず感じるのはこのこと。マスコミの良心ってなんなんでしょうか?) |