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ミステリの祭典

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最上階ペンタグラム

作家 南園律
出版日2009年02月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 4点 虫暮部
(2023/07/27 12:10登録)
 表題作、ミステリとしては失敗。
 何故、そうまでして凶器を隠す必要があったのか?
 犯人につながるような物証ではない。
 凶器がソレだと仮定して検証しても、それだけでは犯人を確定出来なかった。
 そもそも、引出しの中に凶器を仕込む手法では、発動のタイミングを微調整出来ない。犯人不在時に事件が起きて凶器は丸判り、と言う可能性も小さくなかった筈だ。隠滅が必要な凶器なら、手法と矛盾する。
 “凶器の始末という一大事が、犯人の計画からはきれいに抜け落ちていたんだ” なんて言っているがそうではない。“凶器が見付かっても問題は無いと犯人は気付かなかったんだ” である。
 ――てな感じの台詞を最後に付け足して、犯人が間抜けだったとするしかない。

 他の話も、あまりロジカルとは言えず、ワン・アイデア的なストーリーをキャラクターとユーモアで包んでどうにか形を整えた、と言う程度。もう少し頑張りましょう。

No.1 7点 江守森江
(2009/05/29 23:45登録)
この出版社らしい、作者のデビュー連作短編集。
映像化されたら楽しいだろうキャラ設定、特に探偵役が現代の怪人二十面相的産業スパイでユニーク。
ユーモラスさの中にさり気なく伏線を散りばめた本格で続編が待たれる。

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