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ミステリの祭典

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北列車連殺行
列車シリーズ

作家 阿井渉介
出版日1988年03月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 5点 nukkam
(2010/12/13 07:57登録)
(ネタバレなしです) 阿井渉介(1941年生まれ)は1980年にシナリオライターから作家に転身してサスペンス小説や冒険小説を書くもあまり目立った存在ではなかったようですが、1988年発表の本書(長編としては7作目)に始まる列車シリーズで注目を浴びました。タイトルから西村京太郎のトラベル・ミステリーの二番煎じかと思いましたが、アリバイ崩しだけでなく怪現象や某童話の見立て殺人など、謎の魅力が満載の本格派推理小説です。もっともこれでもシリーズ作品の中では地味な部類ですが。ホワイダニットの謎解きに1番重点を置いたプロットだったのは意外でしたが、これだけの大事件が起きていながらあれほどまでに捜査に非協力的な事件関係者たちというのは(真相を知った後でも)釈然としない部分がありますけど。

No.1 7点 E-BANKER
(2010/04/22 20:43登録)
牛深警部(本作ではまだ警部補)の列車シリーズ第1弾。
松島刑事とのコンビも本作からです。
列車シリーズは鉄道に絡めた「不可能状況」の連続がウリのシリーズですが、その点ではあまり高いレベルとは言えないでしょう。
中学時代の同級生連続殺人事件に「竹取物語」のストーリーを絡め、一種の「見立て殺人」的要素も取り入れていますが、残念ながら「怨恨」以外に見立ての必然性はありません。
ただ、雰囲気が好きなんですよねぇ。牛深のキャラクター造形の影響かもしれませんが、読後の余韻が非常に強く残ります。

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