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ミステリの祭典

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牧逸馬探偵小説選

作家 牧逸馬
出版日2007年09月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2022/06/04 09:24登録)
目次には34の小説と11編の評論・随筆とが挙げられていますが、さらに短い掌編小説に分割されたものもあるので、実際の小説数は37編になります。その目次より細かく分割された『真夜中の煙草』第1話『舶来百物語―或る殺人事件』は、巻末解題には書かれていませんが、W・F・ハーヴィー『炎天』の翻案です。
あっさりした頭のいい詐欺が好きだという作者らしいユーモラスな短編が多いのですが、そうとは言い切れない『上海された男』の味は、代表作と言われているだけあって、格別です。また、中には読者への挑戦まである1927年発表の『東京G街怪事件』の他、『砂』、『十二時半』、『碁盤池事件顛末』など謎解きタイプもあり、ホラー系もあります。創作篇の最後に収められた『七時〇三分』はH・ホーン原作の『競馬の怪談』を中編化したものですが、タイムパラドックス領域に踏み込んでしまったため中途半端になったように思われます。

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