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ミステリの祭典

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芝居がかった死
メレディス主任警部

作家 ロバート・バーナード
出版日1990年01月
平均点5.33点
書評数3人

No.3 5点 nukkam
(2016/05/31 18:26登録)
(ネタバレなしです) 1988年発表の本格派推理小説で、探偵役は「不肖の息子」(1978年)以来10年ぶりの登場となるメレディス主任警部ですがシリーズ探偵と紹介するのがためらわれるほど個性の乏しいキャラクターです。kanamoriさんやminiさんのご講評の通りだと思います。バーナードはクリスティーの影響を引き合いに出されますが、なるほど本書の真相は確かにクリスティーのいくつかの作品と共通しているところがあります。ただ残念ながらクリスティーと比べると謎の盛り上げ方はうまくありません(本格派でこれは大事なポイントだと思います)。そのためそれなりに意外性はあると思うのですが、うまく騙されたという気分が味わえませんでした。

No.2 6点 mini
(2014/04/14 09:59登録)
昨年亡くなったミステリー作家追悼書評の最後はロバート・バーナードだ、ちょっと遅くなっちゃったけど

「不肖の息子」で探偵役を務めたメレディス主任警部が再登場する「芝居がかった死」は例の森事典では、謎解き要素では紹介された中で最も優れていると記されている
たしかに謎解き要素だけならクリスティーを想起させるいかにもバーナードらしい極めて巧妙な騙しのテクニックが用いられており、そういう部分だけなら前回読んだ「雪融けの死体」よりは上だろう、「雪融けの死体」の騙し方はちょっと見え透いてたからなぁ
ただ当サイトでのkanamoriさんの御書評が的確に言い表しているように、かなり既視感のある手法で、納得は出来るものの意外性という意味ではそれほど感じない
もう1つこれもkanamoriさんが御指摘されておられるのだが、事件が一応解明された後のラストで意外なある真相が明らかにされる部分が有る
この意外性はかなりのものなのだが、残念ながら本筋の真相とは遊離した感じで、なにか最後におまけで取って付けた感が有るのだ
全くの無駄だとまでは言わないが、その真相が明らかになったからと言って”だから何?”的な感じもしてしまった、この辺はkanamoriさんの御意見に全く同感ですね

No.1 5点 kanamori
(2011/06/24 19:14登録)
「不肖の息子」でも登場したメレディス主任警部が、田舎のホテルで有名な舞台女優が射殺された事件の捜査に乗り出すのは物語の半ば過ぎで、本書も前半は癖のある登場人物たちの造形に筆を費やしています。
アリバイ・トリックを用いた本筋は、クリスティのいくつかの作品を髣髴とさせるもののさほど意外性はない。
エピローグで飛び出す叙述の騙しには驚いたが、よく考えたら、これは物語とあまり関連しない蛇足的なエピソードだからなあ。ミステリの本筋の部分で仕掛けてほしかった。

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