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ミステリの祭典

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拷問
ペリー・トレソワン警部

作家 ロバート・バーナード
出版日1988年11月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 kanamori
(2013/10/21 22:59登録)
ペリー・トリンワン警部は、タイムズ紙の死亡欄で、不仲で絶縁状態にあった父親の死を知る。しかも父親は趣味の吊り刑具という中世の拷問具にかかって変死していた------。

先月訃報が伝えられたロバート・バーナードのトリンワン警部(のちに警視)シリーズの第1作。
地方の旧家トリンワン一族が暮らす館を舞台にしたフーダニット・ミステリで、芸術家肌で変人ぞろいの伯父や伯母、従兄たちを相手に捜査を行うという、警部の微妙な立ち位置が効いています。警部の一人称で語られる彼らのキャラクターだけでも面白いですが、最終章で関係者を一堂に集めて犯人を指摘する警部のロジックもなかなかのものです。
また、一件落着のあとに警部が陥る”窮地”がシニカルで笑えます。

No.1 6点 nukkam
(2010/08/30 21:01登録)
(ネタバレなしです) 1981年発表のペリー・トリソワンシリーズ第1作で、変人揃いの一族と縁を切っていたぺりー・トリソワン警部が父レオの怪死事件を調べます。しかしこのタイトルでは敬遠する読者も多いのではないでしょうか。拷問による肉体的苦痛とトリソワン警部の精神的苦痛を暗示するタイトル(英語原題は「Sheer Torture」)に嘘偽りはありませんけど。直接的な暴力描写やエログロ描写はなく、すっきりした文章で読みやすい作品です。すっきりし過ぎて登場人物のエキセントリックさまでがうまく伝わっていないところもありますが、それでいて謎解きは本格派黄金時代の作品と遜色ないほどしっかり考え抜かれています。

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