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ミステリの祭典

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愛人岬

作家 笹沢左保
出版日1981年05月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点 E-BANKER
(2013/10/08 21:12登録)
1981年発表。作者一連の「岬シリーズ」の一作。
本作で何と200作目の長編という、作者にとって記念すべき作品(だそうです)。

~丹後半島・犬ヶ岬の断崖で起きた連続殺人事件。被害者の男女の接点が見つからないまま有力な容疑者となったのは男の友人である水沼雄介だった。水沼の愛人・古手川香織は雄介の無実を証明するため鹿児島へ向かう。だが、そこで見つけたものは、香織を苦しめるある事実であった。アリバイ崩しの妙味と男女の哀切を見事に描ききった本格推理小説の傑作!~

ひとことで言うなら「二時間サスペンス」にぴったりの作品。
(悪い意味で・・・)
紹介文にあるとおり、ミステリー的な本作の肝は「アリバイ崩し」ほぼ一本。
しかも、『容疑者が密室に閉じ込められることでアリバイが成立している』という魅力的な設定なのだ。
こう書かれると、密室トリックとアリバイ崩しがどのように融合しているのか?と期待するのだが・・・
これが見事に裏切られることになる。

このトリックは頂けない・・・
作者のトリックというと、「霧に溶ける」や「求婚の密室」のサプライズ感十分のトリックなどが思い出されるんだけど、これは正直なところ、トリックというよりも「勘違い」というべきだろう。
こんなあやふやでリスクの高い賭けをする真犯人の心情はかなりリアリティに欠けるのではないか。

あと、男女の絡みのシーンが余りに多すぎ!
その描写力には感服するしかないけど、終章に至っても延々絡みのシーンが続くとさすがに辟易してきた。

ミステリー的には評価できない作品ということだろう。

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