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ミステリの祭典

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幽霊が多すぎる
アレクザンダー・ヒーロー

作家 ポール・ギャリコ
出版日1999年08月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 7点 nukkam
(2009/03/23 15:26登録)
(ネタバレなしです) 米国のポール・ギャリコ(1898-1976)はファンタジー小説の大家として有名ですが、パニック映画ブームの火つけ役となった「ポセイドン・アドベンチャー」(1969年)など結構幅広いジャンルの作品を書いています。1959年発表の本書はこれまた意外や本格派推理小説で、怪奇現象の解明というハウダニットに重きを置いているのが珍しいです。これでもかといわんばかりに怪現象や事件が続発しますが、全てが合理的に解決されます(一つだけ解けない謎がありますが些細な謎です)。トリックは目新しいものはありませんが繊細な人物描写が素晴らしく、特に子供に向けられた優しい眼差しがいかにもこの作者らしいです。

No.1 4点 ロビン
(2009/02/03 19:12登録)
あまり詳しくは知らないのですが、大人の童話を書く氏の唯一の本格ミステリが本書、ということらしいです。
ある館で次々と発生する怪奇現象を、心霊探偵ヒーローが解決する物語。カーを彷彿とさせるオカルトっぷりに読み始めた当初は心がそそられ、続きが楽しみに。しかし、それは過剰な期待に終わった。殺人事件が起こらないのは物足りない(もちろんミステリとして)し、謎の真相も拍子抜けするくらいくだらない。おまけに動機も……。と、フーもハウもホワイも揃って及第点には遠く及ばない。むしろカーと比較してしまった自分が恥ずかしくなった。そんな印象でした。
探偵のキャラクターはいいだけに、変にミステリ仕立てにしないほうが良かったんじゃないかなと。

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