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ミステリの祭典

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蓬莱

作家 今野敏
出版日1994年07月
平均点5.75点
書評数4人

No.4 6点
(2022/10/07 10:15登録)
今野敏氏が描く仮想世界、なんて勝手に想像していたが全く違っていた。
ゲームの販売をめぐる、零細ゲーム開発販売会社の社長、社員たちが謀略に立ち向かう、至極、現実的な冒険小説だった。ちょっと違うかな??
ヴァーチャルな内容がないわけではない。むしろテーマといってもよい。
中国古代史上の徐福が日本の現代史をプログラミングした、なんていう話はなかなか面白い。

キャラがまたすごい。
主人公の社長、渡瀬は意外にフツーだが、やくざにやられながら突如として変貌して、惹きつけてくれる。
その他頭脳明晰な社員や、やくざ、謎のバーテンダーなど種々登場する。
唯一スマートなのは安積警部補。いちおう神南署シリーズなのか。
さすが今野氏、登場人物についてはエンタメ小説として文句のつけようがない。

30年ほど前の小説で、フロッピーディスクやファミコンなんて語句が登場する。秒進分歩の世界なので古典を読んでいるような感覚だった。社会情勢も今とまるで違う。
当時を知る貴重な史料になるかもしれない。

リアルタイムに読んだとしても違和感を覚えただろうが、今読めば時代のずれが手伝って、ハチャメチャ感しかない。
途中、こんな本を今読んで満足のいく読後感が得られるのだろうか、と心配になったが、結果的には楽しい読書だった。単純すぎるのかなあ。

No.3 5点 yoneppi
(2012/11/06 21:47登録)
クラインの壷みたいなのをイメージしてたら全然違った。

No.2 6点 いけお
(2012/05/27 00:41登録)
ラストの展開はいまいちだったが、リーダビリティ含め安定した内容。

No.1 6点 なの
(2004/10/10 00:11登録)
ゲームソフトに秘められた陰謀。
前半の、政治結社・警察・銀行らに滅多打ちにされる展開は正直堪えます・・・。
しかし、中盤から『開き直り』とも採れる逆襲を始め、爽快爽快。
背景キャラかと思っていた○○の意外な行動にビックリ。
いつもながらの高値安定です。
流石の時代的なズレと、薀蓄の多さにちょっとマイナスの6点です。

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