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ミステリの祭典

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不思議島

作家 多島斗志之
出版日1991年07月
平均点7.67点
書評数3人

No.3 8点 ボンボン
(2018/07/20 23:08登録)
清々しく爽やかな横溝正史か(よく知らないが)。
多島ワールド全開で、陽射しはキラキラ、新鮮な風が吹き抜けているにもかかわらず、え・・・、と眉間にしわが寄るような微かな不快の積み重ね。
精密に色々なものがきっちり納まった巧みな構成だ。瀬戸内海の美しさと閉鎖性、村上水軍に絡ませた謎解き、複雑な恋愛小説でもあり、ちょっと歳のいった青春小説でもあり、何より、くねくねと何度もねじれながら真相に迫るミステリ。人物の作り込みが素晴らしい。

No.2 8点 touko
(2010/03/20 00:23登録)
なんといっても、ちょっと意固地なところのあるアラサー女性の心理描写が非常に巧みで感心しました。
この作品が書かれた当時よりむしろ今の方がこのタイプの不器用な女性は、都会にも多いかもしれません。
ミステリとしては小粒ですがそつなくまとまっているし、古臭い島での閉じた人間関係間の話なのにも関わらず、古さを感じさせない普遍性のようなものすら感じました。

No.1 7点 こう
(2009/02/08 00:22登録)
 多島斗志之らしい作品です。瀬戸内海で中学教師をする「ゆり子」がヒロインで彼女は15年前誘拐された過去があった。彼女の前に里見という医師が現われ交際をしてゆくとともに15年前の真実が明らかにされてゆく、というストーリーです。
 人物造形が素晴らしいのはこの作品も同様ですし男性作者の書くヒロインではありますがあまり不自然さは感じません。ミステリとしても良くできていると思います。登場人物の言葉の伏線も効いていますしタイトルも秀逸です。
 文芸畑にシフトされましたがミステリメインの作品をもっと書いてほしいです。(黒百合は一応ミステリなのかもしれませんが個人的には不満もあります)

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