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ミステリの祭典

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密室殺人コレクション
二階堂黎人、森英俊編

作家 アンソロジー(国内編集者)
出版日2001年08月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 7点 蟷螂の斧
(2023/08/14 18:26登録)
①つなわたりの密室(1946 ジョエル・タウンズリー・ロジャース) 6点 アパートの一室で初老の資産家と若い女性が殺害された。密室であった。現場に居合わせた元刑事の前から犯人はどうやって逃げ出したのか?・・・浴室の小さな窓 「赤い右手」と同様に読者を幻惑させる技は巧み。トリックは簡単なものだったが、ややアンフェア
②消失の密室(1948 マックス・アフォード) 6点 地下室の部屋から人間が消失するという伝説があった。妻が消えた。調べにいった客も消えた・・・失踪の理由 国内にも同様なトリックの名作があるらしいが
③カスタネット、カナリア、それと殺人(1962 ジョセフ・カミングス) 8点 映画セット内で男優が刺殺された。女優が演技中のことであった。カメラは自動撮影で回っていた。フィルム(白黒)を確認したが女優以外誰も映っていなかった・・・透明人間の仕業、なるほど
④ガラスの橋(1957 ロバート・アサー) 8点 女性が階段を登って館に入った。そして消えた。雪密室である。住人は心臓の悪い男一人。空飛ぶ円盤に乗っていったのではという・・・江戸川乱歩氏のお気に入りらしい
⑤インド・ダイヤの謎(1965 アーサー・ポージーズ) 5点 怪盗はダイヤを持っていた。警察が踏み込むと発砲した。ダイヤはどこにもなかった・・・向かいの部屋の窓 わかりやすい
⑥飛んできた死(1903 ポプキンズ・アダムズ) 7点 死体のそばに古生代の恐竜の足跡だけが残っていた・・・足跡密室の初出らしい

No.1 6点 kanamori
(2010/05/19 19:10登録)
密室ミステリのアンソロジー。本邦初訳作品を中心に編まれている点が評価できます。
目玉は数年前に「赤い右手」が独特の叙述文章でちょっと評判になったJ・T・ロジャーズの中編「つなわたりの密室」。トリックは普通ですが、熱気を感じる文体は健在です。
ほかに、豪州のディクスン・カーことアフォードの「消失の密室」、ジョセフ・カミングス「カスタネット、カナリヤ、それと殺人」などが収録されていますが、出来は微妙です。
唯一の既読作品、ロバート・アーサー「ガラスの橋」が個人的ベストです。

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