北村薫の本格ミステリ・ライブラリー 北村薫編 |
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作家 | アンソロジー(国内編集者) |
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出版日 | 2001年08月 |
平均点 | 5.75点 |
書評数 | 4人 |
No.4 | 6点 | ボナンザ | |
(2014/04/09 15:29登録) やはりジェミニークリケット事件の別バージョンが収録されているのが嬉しい。 それ以外も海外作からアマチュア作まで幅広い収録。 |
No.3 | 6点 | mini | |
(2011/01/27 10:09登録) 本日発売の早川ミステリマガジン3月号(特別増大号)の特集は”ベスト・オブ・ベスト・ショートストーリーズ”、目玉企画は”名作短篇&トリビュート” まぁ、有名な海外ミステリー短編を元ネタに国内作家がトリビュート作を書き下ろすという一種の本歌取り競演企画 トリビュート作中心のアンソロジーが思い付かないのでこれでお茶を濁そう 北村編は有栖川との座談会まであるくらいで、もしかしたら最初の企画段階ではこの両名だけの予定だったんじゃないかな、法月編と山口編は言わば追加って感じでね だから北村編と有栖川編には互いに収録作など見ると対になっている面がある 4つの各アンソロジーを編者のセンスの順に並べると私の評価は 北村編≧法月編>山口編≧有栖川編となる 世のネット評価は北村編を最下位に置く評価が多いが私は逆だな やはりこの手のアンソロジーの意図からはこの位のお遊び心が欲しいかな、これに比べるとのりりんのは真面目だなぁ、いや、それはそれで良いんだけどね 海外ものが特に多いわけでもない、例えば第4章の4篇の内3篇が海外作家だが、この章で編者が言いたいのは原作者ではなく”西条八十の訳”であるという事だろうからね さて他の編者のもそうだが、この角川文庫の目玉の企画の一つが、トリック自体はマニアには知られていたが、誰の何と言う作品なのが分からなかった幻の作品を収録する事にあったと思う 有栖川編収録の「〈引立て役倶楽部〉の不快な事件」などはその典型的な例だろう この北村編では、E・クイーンも舌を巻いたという弱冠16才の鬼才レナード・トンプスンの巻頭作がそれだ これはねえ、カーの「ユダの窓」に挑戦した作で、要するに”ユダの窓”以外にもう一つの窓がある事に着目したものだ トリック自体はマニアには知られてたんだろうが、おそらく殆どの読者はこのアンソロジーで実物を知ったはずだ ロバート・アーサーはトリックだけなら「51番目の密室」よりもこちらの「ガラスの橋」の方が上でしょう、たしかに島荘風の絵になるトリックだ ただ「51番目の密室」は楽屋オチ的な要素が評価される所以で、北村編収録のローレンス・G・ブロックマン「やぶへび」と因縁があって、つまり北村編と有栖川編が対になっている事由の一つでもあるので両者合わせて読むべきだろう 当サイトでこうさんの書評でも言及されていますが、最後に吉行淳之介とC・ブランド「ジェミニー・クリケット事件」について 吉行淳之介「あいびき」はこうさんも御指摘の通りこんなのを書いていたのかって感じで、もう笑うしかない 「ジェミニー・クリケット事件」は英国版とアメリカ版が存在し、ラストが弱冠違うのだが創元文庫版「招かれざる客たちのビュッフェ」収録のは英国版なのである アメリカ版は早川書房「37の短編」に入っていたのだが、古本でも入手し難かった状況だったのだ、現在ではポケミスで復刊されちゃったけど 北村薫は角川文庫の編集部からアンソロジー企画を持ち込まれた時、アメリカ版の方を収録する事が引き受ける絶対条件だったとの事だ 言わばこのアンソロジーが生まれるきっかけの作品だったわけだ |
No.2 | 5点 | 江守森江 | |
(2009/05/27 23:54登録) 埋もれた名作を紹介している点は素晴らしい。 国産ミステリ中心に読んでいる私には翻訳物の比率の高さが不満。 ※注意 図書館だと小説ではなく評論に分類されてる場合あり。 |
No.1 | 6点 | こう | |
(2009/01/03 01:52登録) この作品集ではやはりクリスチアナブランドのジェミニークリケット事件のアメリカ版が入っているのが魅力です。「招かれざる客たちのビュッフェ」に入っているのはイギリス版でラストが違うだけですが正直アメリカ版の方が良いかなと思います。興味がある方は比較をお薦めしますが先に読んだ方に影響されるかもしれません。 他作品はあまりこてこての本格集とは言えません。中では「ケーキ箱」がまあまあ良かったです。 あとは吉行淳之介 の「あいびき」は作者が作者なだけにこんな小説を書くとは、という驚きがありました。 全作品気に入る方はまずいないと思いますが個人的には一作品でも気に入った作品が見つかればまあいいかなと思います。 |