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ミステリの祭典

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ブラックサンデー

作家 トマス・ハリス
出版日1976年01月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 7点 小原庄助
(2017/06/22 09:45登録)
米政府の対イスラエル武器供与に報復するため、パレスチナゲリラが大規模なテロを計画するというのが大まかな筋。
作者は元々、米大手通信社の敏腕記者。
取材で得た膨大なデータで物語をよりリアルに描写していく。
ページをめくるたび、犯人グループの緻密な計画が現実味を帯びていき、犯人を追うイスラエルの情報機関の精鋭部隊、FBI捜査官たちの具体的な対抗策を垣間見ることもできる。
刊行は40年以上前だが、この物語は異様なほど現代の国際情勢や頻発するテロ事件と重なる。
過激なテロ実行犯たちが同作を参考にしているとは考えたくないが、それほど現実に世界各地で起こっている悲劇と、想像の産物である小説が示すメッセージが合致してしまう。
ソフトターゲットテロに備える意味でも、悲しいかな本書は秀逸といえる。

No.1 5点 kanamori
(2012/09/11 22:55登録)
パレスチナ・ゲリラ“黒い九月”による、アメフト・スーパーボール競技場の爆破計画を描いた緊迫のサスペンス。
情報をつかんだイスラエル情報機関”モサド”と米国FBIは、アメリカ大統領をはじめ大観衆が集まった会場を無差別テロから守るため必死の情報戦を展開するが・・・・というストーリー。

本書は、「羊たちの沈黙」などハンニバル・レクター博士シリーズで有名なトマス・ハリスのデビュー作。あらすじ紹介を読むと派手な謀略サスペンスという感じなんですが、実際はかなり地味な展開です。中近東の情勢なり計画の実行に関する考察などがリアルかつ丁寧に描かれた情報小説の様相で、エンタメ小説としての盛り上がりという点では少々物足りなく感じました。
たまたま読了日が重なりましたが、「9.11」以降に読むこのタイプの小説は素直に楽しめないということもありますね。

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