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ミステリの祭典

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シュロック・ホームズの回想
シュロック・ホームズ

作家 ロバート・L・フィッシュ
出版日1979年05月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 7点 虫暮部
(2025/04/18 13:20登録)
 基本的に前巻と同じノリであって、感想も同様。但し、パターン化しているように見えても、シュロックの言動には結構ヴァリエーションが感じられる。最後まで飽きずに読めた。
 諸々の言葉遊びについては、翻訳者の苦労が偲ばれるが、“わけのわからない言葉” を無理に日本語化するより原文をそのまま載せて欲しかった。

 今になって気付いたが、シャーロックと違ってこちらのホームズの綴りは Homes なんだね。
 つまり、文中に姓だけで記述されていても原文なら原典との区別がキチンと付いているわけで、訳文でこの点は如何ともしがたい。“姓をそのまま拝借して厚かましい” と思っていたけどそういうことか。

No.1 5点 nukkam
(2020/10/13 22:22登録)
(ネタバレなしです) 1964年から1974年にかけて発表された11の短編を収めて1974年に出版された迷探偵シュロック・ホームズシリーズ第2短編集です。前作同様ホームズの迷推理と皮肉な結末を楽しむ本格派推理小説ですが、相変わらず真相を誰もはっきりと説明しないので私のように推理力の弱い読者だと何が間違いで何が正しいのか理解できない作品もあって万人向けですと推奨しにくいです。まともそうな作品よりも羽目を大きく外している作品の方が高く評価されるかもしれません。個人的な好みの作品は「シュロック・ホームズの復活」(復活自体は他愛もありませんが、「感謝のしるし」がとても印象的)と「アルスター切手の謎」(ホームズの兄クリスクロフトのヒントと編集者後記まで付くので真相が見当つきやすい)です。なおフィッシュ(1912-1981)はその後もシリーズ短編を書き続けましたが9作を書いたところで急死してしまい、生前には第3短編集は発表されませんでした。しかし1990年に全32作を収めた全集がめでたく出版されたそうです。

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