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ミステリの祭典

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黒岩涙香探偵小説選Ⅰ
論創ミステリ叢書

作家 黒岩涙香
出版日2006年08月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 ボナンザ
(2022/03/13 19:21登録)
今読むと無惨以外は貴重な記録以上の評価は難しいが、ハッピーエンド志向の冒険活劇としては中々良かった。

No.1 6点
(2021/05/12 19:41登録)
口語体で書かれた『幽霊塔』より約10年前に書かれた『無惨』および『涙香集』としてまとめられた8編で、これらは文語体だというので、相当な読みにくさを覚悟していたのです。ところが意外にも、凝った緻密な口語体より読みやすいぐらい。論創社版では旧漢字を常用漢字等に直しただけでなく、会話部分で各人のセリフの後に改行を入れてくれているおかげもあります。
それにしても創作小説『無惨』の内容には驚かされました。3部に分れたうち、全体の約4割を占める「中編(忖度)」全体が、真相解明の経緯説明にあてられているのです。この推理・説明がホームズやソーンダイク博士並みの緻密さで、まさに「推理」小説。
『涙香集』の8編中2編は、巻末解説によれば涙香自身の創作のようです。100ページぐらいの『探偵』は後のウォーレスあたりをも思わせるようなスリラー長編の短縮翻案でしょう。

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