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ミステリの祭典

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マラッカの海に消えた

作家 山村美紗
出版日1974年01月
平均点4.50点
書評数2人

No.2 5点
(2020/06/16 22:58登録)
久々に再読した、山村美紗の最初に出版された長編。最初期の他の2作『黒の環状線』『花の棺』のような謎解きを期待して読むと、がっかりするかもしれません。マレーシアのペナン島に単身赴任した夫が殺人犯ではないかと疑う妻亜木子の視点から描かれた章と、白石警部の捜査の章とを交互に組み合わせた構成で、サスペンス色が強い作品です。特に最終章は、サスペンス小説らしい幕切れになっています。ただ、その結末の原因の伏線を早い段階で提示しているのは、基本的に謎解き系の作者らしいと言えるでしょうか。密室殺人もありますが、これはまあおまけのようなものでしょう。ペナン島に出張してきた白石警部が即座に見破れないのが不思議です。
しかし最終章に至ってみると、犯人の計画としては、そもそもそんな面倒くさいアリバイ・トリックなど用意する必要があったのかと思えるのが、不満なところです。

No.1 4点 kanamori
(2010/03/16 20:04登録)
著者3度目の乱歩賞最終候補作で単行本デビュー作。
日本ーペナン島をまたぐ、いかにも二時間ドラマ向けの作品で、アリバイ、密室トリックともチープなのは否めないです。

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