ポジオリ教授の冒険 ヘンリー・ポジオリ教授 |
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作家 | T・S・ストリブリング |
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出版日 | 2008年11月 |
平均点 | 6.00点 |
書評数 | 3人 |
No.3 | 6点 | 八二一 | |
(2020/09/17 20:04登録) 脱構築を繰り返すシリーズ探偵、という微妙なバランスが作品そのものの揺らぎと呼応。収録作の完成度にバラつきはあるが、神秘主義と論理の融合を試みた「つきまとう影」は出色。 |
No.2 | 5点 | nukkam | |
(2016/06/30 13:14登録) (ネタバレなしです) 2004年になって出版されたポジオリ教授シリーズ第三短編集ですが収録されているのは1929年から1935年にかけて発表された第二期の作品群です。つまり第二短編集の「ポジオリ教授の事件簿」(1975年)に収められた第三期の作品よりも先に書かれた作品が収められているわけです(ややこしい)。中編1作と短編8作で構成されていますが、「銃弾」や「ピンクの柱廊」で二転三転する推理に圧倒される一方で「パンパタールの真珠」や「プライヴェート・ジャングル」では解決したのかどうかさえはっきりしない結末になっていたりと良く言えば多彩、悪く言えばとらえどころのない作品が並んでおり、明らかにマニア読者や研究家向きの短編集でしょう。中編「つきまとう影」もユーモアとサスペンスが出色で大胆な推理も印象的ですがそれでいてすっきりしない締めくくりの怪作になっています。 |
No.1 | 7点 | mini | |
(2008/11/16 11:02登録) ポジオリ教授シリーズは書かれた時期で三期に分けられるが、単発で訳されて埋もれたままだった第二期をまとめたもので、つい最近に河出書房から刊行されたばかり 元々が雑誌に掲載された短篇の寄せ集めなので、そうした統一感の無さは3冊の短編集の中では一番あるのは仕方がない 相変わらずのポジオリ教授らしい超論理の推理が楽しめるし、個々の短編の密度の濃さは、第三期の「ポジオリ教授の事件簿」よりは上回る ただなんて言うのかな作中の空気感のようなものが第一期に比べて緩いかな やはり第一期の「カリブ諸島の手がかり」はすごい傑作短編集だったんだなと改めて再認識してしまった |