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ミステリの祭典

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ハーメルンの笛を聴け

作家 深谷忠記
出版日1989年05月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2015/03/22 21:57登録)
深谷忠紀はこれまで倉敷や伊豆の情景を丁寧に描いた壮&美緒のトラベル・ミステリ・シリーズしか読んだことがなかったので、本作はストーリーだけでなく架空の町を中心舞台にしたところも意外でした。1982年乱歩賞候補作になった後、1989年に初出版されたものだそうです。その間にどの程度改稿されたのかは不明ですが。
途中まではハーメルンの笛吹き男を名乗る人物からの謎の手紙を中心に置いたミッシングリンク系の本格派という感じで、作者自身がサスペンスと定義している理由がわからなかったのですが、クライマックスに突入してからは、納得できました。ただ、事件が長期に渡っていて、最後近くになるまでむしろじっくり型なのは、この終わり方にはあまり合っていないように感じました。
あと、第4の事件の起こし方については、犯人の意図にはそぐわないはずだという問題は少々気になりました。

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