死体は沈黙しない スローン警部 |
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作家 | キャサリン・エアード |
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出版日 | 1983年01月 |
平均点 | 5.50点 |
書評数 | 2人 |
No.2 | 5点 | nukkam | |
(2018/02/10 15:15登録) (ネタバレなしです) 1979年発表のスローン警部シリーズ第8作の本格派推理小説です。定年間近の化学教師(女性)の糖尿病による(と思われる)死、銀行口座には謎の大金があり、さらに行方不明の彼女の飼い犬、逃亡する彼女の甥など色々な謎をばら撒いていますがこの作者らしく展開は地味です。地味といっても例えばF・W・クロフツの地味さとも異なります。クロフツは徒労や失敗に終わった捜査までも緻密に描写しますが本書ではむしろ捜査描写はしばしば省略され、リーエス署長にスローンが随時簡潔に捜査結果のみ報告しています。結構大事な証拠がさらりと語られたりするので油断なりません。動機がかなり持って回ったようなところがありますがこれは後出し気味に説明されており、読者が事前に予想するのは困難でしょう。 |
No.1 | 6点 | 空 | |
(2016/08/13 23:43登録) エアードは、訳者あとがきでは、アガサ・クリスティーの後継者という評価のある作家とされているとのことですが、本作を読む限りでは、むしろ違いの方が目立つ感じを受けました。基本的にフーダニット作家であるクリスティーに対して、本作では犯人の意外性にはこだわっていません。それよりも、糖尿病で死んだ老婦人に莫大な遺産があったのはどうしてなのかということが、最大の謎になったミステリです。事件の全体像は全然見えないままに、何となくこんなこともありそうだとは思っていたのですが。その老婦人を「糖尿病で殺す」アイディアもありますが、これは途中で明かされます。 作者の特徴とされているユーモアは文章表現にかなりの部分を負っていますが、ちょっと鼻につきます。クロスビー刑事の天然キャラは現実にはあり得ないだろうと思えるものの、結構気に入りました。 |