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ミステリの祭典

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女郎蜘蛛 伊集院大介と幻の友禅
伊集院大介シリーズ

作家 栗本薫
出版日2005年12月
平均点5.00点
書評数3人

No.3 3点 ボナンザ
(2024/09/21 21:19登録)
ひたすら着物に対する作者の熱意が炸裂する。まあ、何も熱意が感じられない作品よりは筆が乗っていて面白い。

No.2 6点 初老人
(2014/06/10 01:32登録)
(多少ネタバレ気味)

女郎蜘蛛として生きてきてこの物語において中心的な役回りをする事になる人物により、女郎蜘蛛への歪んだ恋愛感情を利用され道具として汚れ仕事をさせられる人物の心情を思うと なんだか哀れでもあり、滑稽でもあった。 ミステリ部分としては女郎蜘蛛の正体は明白であるため、彼女の[道具]の正体を示す ダイイングメッセージの解明という所にあると思うのだが、単純でありながら説得力があって良かったと思う。
物語は女郎蜘蛛の呪いは解けた、と宣言して終わるが、そこが 唯一の救いだったように思った。

No.1 6点
(2012/09/13 20:50登録)
伊集院大介シリーズは、だいぶ前に1冊番外編的なのを読んだことがあるだけ。
かなりの大作です。まあ、長いのが得意な作家ではあります。長くなっているのは、着物、その中でも当然友禅が中心になるわけですが、それに対する薀蓄が延々と書かれているからです。複数の登場人物が自分の言葉で似たようなことを語るのを積み重ねていくわけで、その意味では実にわかりやすい着物講座です。また、主要登場人物たちはなかなか個性的に描かれていて、そこも読みどころです。
タイトルにもなっている女郎蜘蛛になぞらえられる人物が事件の中でどんな役割を演じているのかについては、読み終えてみると、はぁそうなるんですねという感じですが、まあこれはこれで問題ないと思います。ただ最初の殺人の真相が、かなり安易です。なぜ安易なのかという点は納得できなくはないのですが、ミステリなんですから。

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