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ミステリの祭典

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3、1、2とノックせよ

作家 フレドリック・ブラウン
出版日1960年01月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 5点 斎藤警部
(2015/07/09 12:54登録)
(最後の方ネタバレ)
『痴漢』と呼ばれる人物の押入り強姦殺人事件が連発する中、博打好きで女好きなクソ駄目オヤジが自業自得でがんじがらめの夜の街を彷徨うシーン中心の前半はちょっと退屈。 知恵遅れのヒーローかと思われた街の新聞売りが登場してから物語は活気を呈し、何人かの脇役達も(チョイ役達まで)男女共に存在感たっぷりの動きを見せる。このへんの描写は流石だね。 さて借金返済等々で進退窮まったクソ駄目オヤジは徐々にトチ狂った行動をとり始め、そうしているうち酒場で『痴漢』らしき人物に出くわすが。。 ハーフハッピーエンドとも見える皮肉なエンディングの余韻はともかく、『痴漢』の正体がまさか主要登場人物の誰でもなかっただなんて! そりゃ意外だよ肩透かしもいいとこ!! ま往年のそういう流儀の変質者(サイコ)スリラーって事なんですかね、でもこりゃミステリの流儀じゃないよな。やはりFブラウンさんは短篇の方が、それもSFの方が本領発揮出来るんじゃないでしょうか。(その割に長篇ミステリのラインナップがやたら目立つんですが)

No.1 5点 kanamori
(2011/04/06 18:38登録)
SFもミステリも手掛けたフレドリック・ブラウンですが、どちらかというと短編を得意としていたようで、長編ミステリはあまり楽しめた覚えがない。
本書は、主人公のダメ男が金策に奔走し徐々に追いこまられていく過程の描写が延々と続き、読んでいて萎えて来る。クライマックスの連続強姦魔との絡みは、あらすじ紹介であらかた分かっているだけに、前半部が少々退屈だった。
軽妙なオチは悪くないが、短編でも充分書ける内容だと思う。

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