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ミステリの祭典

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証拠死体
ケイ・スカーペッタ検屍官

作家 パトリシア・コーンウェル
出版日1992年07月
平均点7.50点
書評数2人

No.2 8点 ◇・・
(2024/11/17 20:47登録)
ある女性作家が自宅で惨殺死体で発見される。彼女は脅迫を受けていて、それから逃れるために避難していたはずなのに、なぜか脅迫者の待つ自宅へ戻ってきて、その夜に殺されてしまった。どうしてなのか、というのが最初の謎。主人公のケイが捜査を進めるにつれて、複雑に錯綜した事件の全貌が浮かび上がる。
このシリーズは、検視官による科学捜査が丁寧に描かれているのが特徴だが、豊かな情報量で作品を肉付けして雰囲気を出すという技法で成功している。スカーペッタの人物描写もリアル。脇役陣にも個性ある人物が揃っていて凄い。

No.1 7点
(2011/01/18 21:27登録)
コーンウェル初読。いわゆるベスト・セラーというのは、こういうのを言うんでしょうか。スティーヴン・キングさえ、映画はずいぶん見ていますが原作を全く読んでいない自分としては…でも、共通点はありそうな感じです。様々な要素を詰め込んで盛りだくさんにし、小説の長大化を図っているのはあまり好みではないのですが、それはまあいいでしょう。
最後までサスペンスを持続させるためのご都合主義的なごまかしがちょっと気になるところはありました。しかし、殺人犯の正体に近づいていく過程はなかなかよくできていますし、現場で採取された繊維と、被害者の作家がなぜ犯人を家に入れたのかの謎、さらに過去の大事件との奇妙な関連など、最後にうまく結び付けてくれています。
単独の作品としてはおもしろかったのですが、同じ主人公で毎回似たようなことをやられては、という懸念も持ってしまいました。検死官が何度もこんな目にあうのだとしたらね。

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