逃亡者のF キンジー・ミルホーン |
---|
作家 | スー・グラフトン |
---|---|
出版日 | 1990年06月 |
平均点 | 5.00点 |
書評数 | 2人 |
No.2 | 4点 | レッドキング | |
(2025/08/31 00:59登録) キンジー・ミルホーンシリーズ "F"の巻。17年前の殺人の冤罪をはらすため、真犯人探しという難題依頼を受けたキンジー。美しく性的「奔放」だった被害者女子高生の過去に繋がる、海辺の小共同体の男女達。見苦しくも痛ましい男と女の実相が、新事件の展開と共に暴かれて行き、唐突な真相解明を迎える。ちょびいっと本格物の匂い(ニオいだけね)がした。 ※「 女に生まれて唯一不便なのは、立ったまま用が足せない事 」 ・・いいなあ相変わらず・・(^^♪ |
No.1 | 6点 | 空 | |
(2014/11/05 21:59登録) 今まで読んだグラフトンの中では、最も率直に楽しめました。恋人殺しの罪を認めて服役したものの、1年ほどで脱獄して逃亡生活を送っていた男が、16年後に偶然の成り行きで逮捕され、その父親からの依頼でキンジーがその男の無実を証明するために調査を開始する、という設定自体もおもしろいのですが、その後の思いがけない展開には驚かされました。ただし、その展開を引き起こすタップの行動と、その行動を起こさせた人物の要求には、さすがに無理があります。それで話に緊迫感が出ることは確かですが、もっと地味にやってもよかったのではないかと思えました。 その無理な部分を除けば、本作ではミスディレクションや動機の意外性など、フーダニットとしてもロス・マク並になかなかうまくまとまっていました。個人的にはハードボイルド系の作品には、謎解き的要素はそんなに求めないのですが、これはこれでよかったと思います。 |