泥棒のB キンジー・ミルホーン |
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作家 | スー・グラフトン |
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出版日 | 1987年06月 |
平均点 | 5.00点 |
書評数 | 2人 |
No.2 | 5点 | レッドキング | |
(2025/05/10 22:26登録) キンジー・ミルホーンシリーズ第二弾。うらぶれ私立探偵、行方不明捜し、死体出くわし、WhoWhyミステリからWhatダニット解明へ・・うーん、直球ハードボイルドぉ、1点オマケ。 探偵ヒロイン・・4、5m四方の狭い居住空間を好み、元婦警でバツ2、射撃マニアでジョギングが趣味で、犬が嫌い、てな設定・・が良い。脇役の高齢女性達のキャラ造形もよく、ナカナカな「グルメ」描写等、叙述の細やかさが、またよい。部屋中に己の大便(˶⊙⊙՞)まき散らす犯人の女てのが、またザンシンで。 |
No.1 | 5点 | 空 | |
(2011/05/14 10:07登録) スー・グラフトン初読。 このシリーズは一般的にはハードボイルドに分類されているようですが、少なくとも本作を読んだ限りでは、個人的なハードボイルドの定義からは少々外れているかなと思えます。語り口もそうなのですが、たとえば地道な捜査を続けた後ラストに一気に刺激的なサスペンスとアクションの見せ場を作る構成。第24章の半ばあたりから、キンジーを犯人と対決させてクライマックスとするための段取が始まります。一方ハメットやチャンドラーは、このような盛り上げで話を締めくくることはめったにありません。 しかしまあ、細かな分類など作品の評価には関係ないとは言えるわけで、エンタテインメントとしては普通によくできているという感じはします。ただ、犯人が使ういかにもなトリックは、証拠偽装を実際にどうやってのけたのか説明不足ですし、特殊な凶器の選択理由もありません。部屋を無茶苦茶にする時素顔をさらす危険性を冒したのも不自然です。謎解き的要素がかなりあるだけに、かえって論理的欠点が目につきます。 |