マンダリンの囁き ウェクスフォード警部 |
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作家 | ルース・レンデル |
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出版日 | 1985年04月 |
平均点 | 5.50点 |
書評数 | 2人 |
No.2 | 5点 | nukkam | |
(2024/02/28 09:22登録) (ネタバレなしです) 1983年発表のウェクスフォード主任警部シリーズ第12作の本格派推理小説です。三部構成ですが第一部はウェクスフォードの中国旅行が描かれます。ウェクスフォードが出会った人物の1人が第二部で(英国で)殺されることになるのですがこの第一部ではそういう予兆を感じさせることもなく、ミステリーとしてはちょっと冗長に感じます。異国描写も物足りないし、ウェクスフォードの観察力も緑茶の飲みすぎによる幻覚かと思いこむほど冴えがありません(微妙に緑茶に失礼だな)。ミスリードからのどんでん返しの謎解きがありますがミスリードの先にある仮説があまりにも魅力に欠ける仮説で、謎解きへの興味を下げられてしまいました。18章の終わりでひっくり返されてほっとしましたが。 |
No.1 | 6点 | 空 | |
(2020/05/29 21:34登録) ウェクスフォード警部シリーズ第12作は、警部が甥のフォーチューン警視正のはからいで、警視庁訪中団の一員に加わり、夏の暑さと謹厳実直な案内係に辟易しながらも余暇に中国旅行を楽しんでいるシーンから始まります。実際のところ、大きく3部に分れた本作の第1部は、この中国旅行に費やされているのです。この部分で起こる出来事は、動機を除くと第2部開始部で起こる本筋の殺人事件には関係ありません。それでもただ旅行記というだけでなく、警部が見る纏足の老婦人の謎とか、船から中国人が転落して死ぬ事件とかもあります。ただ一か所、最も不思議な列車の中のミイラについては、結局レ・ファニュ頼りなんでしょうか… タイトルのマンダリンとは本来は中国標準語、あるいは清朝高級官吏の意味ですが、本書では別の意味を持っていて、それに関連する勘違いが明らかになる部分には、真犯人の設定より感心させられました。 |