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ミステリの祭典

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レスター・リースの新冒険
怪盗レスター・リース

作家 E・S・ガードナー
出版日1984年04月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 7点 弾十六
(2018/11/18 11:24登録)
本書に収録されているのは全てDetective Fiction Weekly(以下D.F.W.)に掲載されたものですが49作目(1936-3-21)を最後にシリーズ第1作目から続いていた同誌への掲載が一時中断し、Street&Smith's Detective Story誌(月刊誌)が50作目(1938年12月号)から56作目(1939年8月号)までリースものを掲載します。ところが57作目(1939-9-16, Lester Leith, Magician 本書に収録)は雑誌表紙の最上部に大きく"Lester Leith is Home Again!"と書かれ、D.F.W.に再び掲載されました。(これ以降最終話まで同誌及び後継誌に掲載。63作目掲載のDetective Fiction誌及び64作目と65作目<最終話>を掲載したFlynn's Detective FictionはD.F.W.の後継誌) この時期D.F.W.は表紙の雰囲気を変えたり週間から隔週刊、月刊に変わったり版元が変わったり雑誌タイトルを変えたりと台所事情が苦しかったのがうかがえますが、1938年の突然の掲載誌変更(大人気作のライヴァル社への移籍ですから…)にはどんな事情ががあったのか気になります。(長編作家として安定してきたガードナー自身の中短編の寄稿自体が減っており、既にパルプマガジンは主戦場では無かったのですが…)
さて、本書には以下の5作を収録、いずれも楽しい紳士怪盗ものです。(#はリースものの掲載順通し番号)
#19 In Round Figures (D.F.W. August 23, 1930)
#33 The Bird in the Hand (D.F.W. April 9, 1932)
#57 Lester Leith, Magician (D.F.W. September 16, 1939) [aka The Hand Is Quicker Than the Eye]
#2 A Tip from Scuttle (D.F.W. March 2, 1929)
#62 The Exact Opposite (D.F.W. March 29, 1941)

No.1 6点 kanamori
(2010/12/04 20:15登録)
宝石などの金品盗難事件の真犯人を新聞記事で推理し盗品を横取りする義賊レスター・リース、連作短編集の第2弾。
前作に劣らず面白かった。
どのような手段で横取りするかの興味では、「六人の肥った女」と「手中の鳥」が秀逸。従僕スカットルに手配させる小道具や人物にミスディレクションを効かせているため、読者(と、アクリー部長刑事)の意表を突きます。
「リース式探偵法」は、密室トリックを使った宝石盗難が扱われている異色作。

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